画面で使うChatGPTと、APIの違い
ChatGPT は、ブラウザやアプリの画面で質問して使うのが一般的です。一方の API は、ChatGPT と同じ仕組みのAIを、自社のシステムや表計算、メールの仕組みから呼び出すための入り口です。
画面で使う場合、人がコピーして貼り付け、結果をまた別の場所に貼り直します。API を使えば、この受け渡しを仕組みにできます。「メールが届いたら下書きを作って担当者に回す」「議事録のファイルが置かれたら要約を作って共有する」といった流れを、人の手を介さずに回せるようになります。
向いている仕事
API を組み込みやすいのは、入力と出力の形が毎回だいたい同じ仕事です。
問い合わせメールの返信下書き
届いたメールの内容から返信の下書きを作り、担当者が確認して送ります。よくある質問への返信を毎回ゼロから書く手間がなくなります。
議事録の要約と、決まったことの抜き出し
会議の文字起こしから、「決まったこと」「宿題と担当」「次回までに確認すること」を抜き出して共有します。
問い合わせや日報の仕分け
届いた文章を「見積もり依頼」「不具合」「その他」のように分類し、担当者ごとに振り分けます。
表のデータの整形
住所や会社名の表記ゆれをそろえる、自由記述のアンケートを種類ごとにまとめる、といった地味で時間のかかる作業にも使えます。
そのまま使えるプロンプト例
API に渡す指示(プロンプト)は、役割・やること・出力の形を分けて書くと安定します。以下は、そのまま試せる形の例です。
返信の下書き
あなたは、中小企業の問い合わせ窓口の担当者です。
次の問い合わせメールに対する返信の下書きを作ってください。
条件:
- 300字以内
- 最初にお礼を一文入れる
- 料金や納期は断定せず、「担当者から改めてご連絡します」とする
- 分からないことは推測で書かない
問い合わせメール:
(ここにメール本文)議事録から決まったことを抜き出す
次の会議の記録から、以下の3つを箇条書きで抜き出してください。
記録に書かれていないことは書かないでください。
1. 決まったこと
2. 宿題(担当者名と期限つき)
3. 次回までに確認すること
会議の記録:
(ここに文字起こし)問い合わせの仕分け
次の問い合わせを、「見積もり依頼」「不具合の報告」「使い方の質問」「その他」の
どれか1つに分類し、分類名だけを答えてください。
問い合わせ:
(ここに本文)仕分けのように「決まった選択肢から選ぶ」仕事は、答えの形を固定しておくと、あとの処理(担当者への振り分けなど)がプログラムで扱いやすくなります。
費用の考え方
API の料金は、送った文章と返ってきた文章の量(トークン数)で決まる従量課金です。モデルごとに単価が違い、高性能なモデルほど高くなります。
- まずは安いモデルで試し、足りなければ上のモデルに替える
- 利用画面で月の上限額を決めておく
- 1件あたりの文章量と、月の件数から、ざっくり見積もってから始める
最新の単価はモデルの入れ替わりとともに変わるので、OpenAI の料金ページで確認してください。
データの扱い
OpenAI は、API で送ったデータを、初期設定では学習に使わないと公表しています。それでも、次の点は社内で決めておきます。
- 個人情報や取引先の機密は、そもそも送らない・送る前に伏せる
- どの業務で、どんな情報を送ってよいかを決めておく
- API キー(接続用の鍵)は、担当者以外が見られない場所に保管する
最小のコード
Node.js から API を呼び出す、いちばん小さな例です。モデル名は環境変数で渡し、コードを書き換えずに替えられるようにしています。
import OpenAI from 'openai';
// API キーは環境変数 OPENAI_API_KEY から読み込まれる
const client = new OpenAI();
export async function draftReply(mail: string): Promise<string> {
const response = await client.responses.create({
model: process.env.OPENAI_MODEL ?? '',
instructions: 'あなたは問い合わせ窓口の担当者です。300字以内で返信の下書きを作ってください。',
input: mail,
});
return response.output_text;
}実際の業務に組み込むときは、これに「失敗したときに再試行する」「結果を記録に残す」「人が確認してから送る」といった処理を足していきます。
小さく始めるコツ
- 1つの業務だけで始める:まずは返信の下書きだけ、議事録の要約だけ、のように絞ります
- 最初は人が必ず確認する:AIの出力をそのまま外に出さず、担当者が見て直す流れにします
- 比べる物差しを決める:1件にかかっていた時間、直した量などを記録して、続けるかどうかを判断します
まとめ
- API を使うと、ChatGPT を自社の仕組みから呼び出し、受け渡しを自動にできる
- 向いているのは、入力と出力の形が毎回だいたい同じ仕事
- プロンプトは「役割・やること・出力の形」を分けて書く
- 費用の上限、送ってよいデータ、人の確認を先に決めてから始める
YUWA の AI導入支援 では、どの業務に組み込むかの整理から、仕組みづくり、社内での定着までを一緒に進めています。お気軽にご相談ください。

