スプレッドシートの確認と連絡を自動にする:GASと生成AIの組み合わせ方

毎朝スプレッドシートを開いて、期限や担当を確かめ、関係者に連絡する。そんな「確認と連絡」の仕事を、Google Apps Script と生成AIで自動にする考え方と手順をまとめました。

「確認して、連絡する」だけの仕事

案件や作業をスプレッドシートで管理している会社は多いと思います。そして、その表を見て回るのが誰かの日課になっていないでしょうか。

  • 期限が近い案件はないか
  • 担当が決まっていない行はないか
  • 進み具合が止まっている案件はないか

気づいたら、担当者にチャットやメールで声をかける。一つひとつは数分の作業です。ただ、毎日・毎週続くと、まとまった時間と集中力を取られます。しかも、その人が休むと止まります。

この「確認して、連絡する」仕事は、Google Apps Script(GAS)と生成AIの組み合わせで、ほぼ自動にできます。

仕組みの全体像

流れは4段階です。

  1. 決まった時刻に動く:毎朝9時など、GAS の時間トリガーで処理を始める
  2. 表を読んで、条件に当てはまる行を拾う:期限が3日以内、担当が空欄、など
  3. 連絡文を生成AIに書かせる:拾った内容をもとに、担当者向けの短い連絡文をつくる
  4. 送る:メールやチャットに送り、送った記録を表に残す

ポイントは、条件で拾うところ(2)はプログラムで、文章にするところ(3)だけをAIに任せることです。「どの行が対象か」までAIに判断させると、拾い漏れや拾いすぎが起きたときに原因を追えなくなります。決まったルールで判断できることは、ルールのまま書いたほうが確実です。

使う道具

Google Apps Script(GAS)

Google が提供している、スプレッドシートやGmail、カレンダーを操作できるプログラムの仕組みです。Google Workspace や Google アカウントがあれば追加の費用なしで使え、サーバーを用意する必要もありません。

生成AIのAPI

文章をつくる部分は、Gemini や ChatGPT、Claude などのAPIを GAS から呼び出します。Google の環境にまとまっていると管理が楽なので、GAS と組み合わせるなら Gemini(Vertex AI 経由を含む)が扱いやすい選択肢です。

実装の流れ

1. 表の形をそろえる

自動化の前に、表の列をそろえます。「期限」の列に日付と文字が混ざっていたり、担当者名の書き方がばらばらだったりすると、プログラムが正しく読めません。ここを整えるだけで、手作業の確認も楽になります。

2. 対象の行を拾う処理を書く

たとえば「期限が3日以内で、まだ完了していない行」を拾う処理は、次のような形になります。

function findDueSoon() {
  const sheet = SpreadsheetApp.getActive().getSheetByName('案件');
  const rows = sheet.getDataRange().getValues().slice(1); // 見出し行を除く
  const limit = new Date();
  limit.setDate(limit.getDate() + 3);
 
  return rows.filter(([name, owner, due, status]) =>
    status !== '完了' && due instanceof Date && due <= limit
  );
}

3. 連絡文をAIに書かせる

拾った行を、担当者ごとにまとめてAIに渡します。このとき、AIへの指示(プロンプト)で文の長さと言い回しを決めておくと、毎回の文面が安定します。

  • 「100字以内」「箇条書きで」など形を指定する
  • 「期限・案件名・次にやること」の3点を必ず入れる、と書いておく
  • 社外に出す文章でなければ、敬語の度合いも指定しておく

4. 送信と記録

Gmail やチャットに送ったら、「いつ・誰に送ったか」を表の別の列に書き込みます。同じ連絡を二重に送らないためと、あとから確認するためです。

5. 時間トリガーを設定する

最後に、GAS の時間トリガーで「毎朝9時」などの実行を設定します。1回の実行には時間の上限(6分)があるので、行数が多い表では処理を分ける工夫が要ります。

変わること

  • 毎日の見回りがなくなり、連絡が必要な案件だけが自動で届くようになる
  • 担当者が休んでも、確認と連絡は止まらない
  • 「誰に・いつ連絡したか」が表に残る

一方で、最終的な判断は人が持ったままです。期限を延ばすか、担当を替えるかといった判断まで自動にする必要はありません。機械的な確認と連絡を仕組みに任せて、判断に時間を使う。この分担がいちばん効きます。

始めるときの注意

  • いきなり全部を自動にしない:まずは「自分宛てにだけ送る」状態で1〜2週間動かし、拾い方と文面を確かめてから関係者に広げます
  • 個人情報を含む列はAIに渡さない:連絡文に不要な情報は、AIに送る前に外します
  • 作った人しか直せない状態にしない:どの列を見て、どんな条件で拾っているかを、表の横にメモしておきます

まとめ

  • 「表を見て、確認して、連絡する」仕事は、GAS と生成AIで自動にしやすい
  • 条件で拾うのはプログラム、文章にするのはAI、と役割を分ける
  • まずは自分宛てに送る形で試し、確かめてから広げる

YUWA の 業務自動化・DX支援 では、こうした毎日の確認や転記、集計を、人が操作しなくても進む形にしています。どの作業から手をつけるかの整理から、お気軽にご相談ください。

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